『恋愛ディストーション』新装版2巻
正直なことをいうと、この手の「新装版」商売は嫌いなので、こないだ出た選集の「Remix」も買わなかったのだが、新装版が好評だったりすると、あんな中途半端なところでなくて終わりまで描いてくれるとかいうこともあるかな、という淡い期待のもとに買っています。
で、この2巻なんですが、旧版とけっこうちがう。微妙に収録エピソードがずれていて、旧版の2巻に入っていた「不意打ちガール暴走」は新装版1巻に入ったりとかがある以外に、未収録エピソード「ピグメント」と、新エピソード(?)「日常に生きる彼女〜なつめ編〜」が収録されている。あと細かい直しみたいなのがちょっとあって、一部のシーンでは回想部分に白の網掛けがしてあったりとか(これはないほうがいいと思ったが……)。
しかしなにより、この巻でいちばんびっくりしたのは「わんこの反撃」。これ、旧版では主人公がようやくケータイ買いました、というそんだけの話なんだけど、これがなんと「スマートフォンに買い換えました」の回へと変貌を遂げておりました。こやつら、Galaxy Sに移行しておる……! ちなみに台詞はほぼ一緒。緑川さんがケータイ持ってないのも一緒。
本編の描かれた2000年〜2001年当時を思い返すと、大学生のライフスタイル的にはケータイはだんだんふつうの人でも、使わなくてもなんとなく持ってる的な世界になっていて、緑川さんが持ってないのも「今時珍しい」けどありえないというほどではない感じだったのではないかと思う。あれから10年! 10年すよ。ケータイ持ってない都内の大学生なんているのか。今時珍しいを通り越して、よっぽど何かあった人とかになるのではないか。たしかに、主人公が「ついに買ったぞケータイ」というのも不思議な気分になる。
だけど、10年前のまんがじゃないとありえないエピソードとして、これはこのまま残して欲しかったなあ。「そんな時代もあった」という証拠として。このまんがはほかにも当時を反映した台詞とか絵面をもっているのだし、そういう部分をこそ愛でるべきなんじゃないだろーか。
まあ、そんなことを思いました。
「激マン」版デビルマンで不動明と飛鳥涼が携帯で情報交換してたり、漫画版「ウルフガイ」で犬神明がAmazonを利用してるのも衝撃でしたが、たしかにこれもびっくりですね。
そんなことになっていたのですね・・・なぜ直すんだろう・・・
しかし恋ディスが10年とは!衝撃です。