麻生みこと『そこをなんとか』

This entry was posted by on Monday, 11 January, 2010

あんまり前知識なしに表紙買いしたんですが、これがなかなか面白いまんがでした。現在3巻まで刊行中。

卒業したばかりの新米弁護士、改世楽子(かいせ・らくこ)は未曾有の就職難に遭遇。司法試験新制度の結果として多量の新米弁護士が生み出されていたのだ! それでも持ち前の楽観とパワーで、とある零細弁護士事務所に所属することに。デキるアニ弁(先輩弁護士)の東海林弘明と、元大学教員の所長のもと、改世は難事件(?)を次々に(?)解決(?)していく。

てな粗筋ですが、この話のポイントは主人公のらっこちゃんの性格かなと思いました。この人、実に「イイ性格」をしておりまして、ある面ではごく真っ当でありながら、妙に高いテンションで突っ走ったりして、読んでいて気持ちがいい。話の関係上、離婚調停や外国人の子供の認知のようなともすれば重くなりがちなテーマを扱われることも多いのですが、むしろくすくす笑えるぐらいの雰囲気に仕上がっているのもこのキャラあってこそ。ってか、俺は基本的にこういうのにありがちな「キャラとハートがおおまかカバー」なだけの話は嫌いなんですが、このまんがのいいところはそれだけにはなってないというところかもしれません。2巻の裁判員制度シミュレーションなんか、誰も気付かなかった真理(とおぼしきもの)をズバリついてますからね。それでいてこういうキャラだからこそ楽しい作品になっているのでしょう。3巻からは主人公の同期の赤星君を絡めた微妙なラヴ要素も加わって、楽しくなってきました。しかし赤星くんは不憫すぎてむしろ泣けてきます……。

ところで、読書メーターを見てる感じでは、らっこちゃんのキャラを褒める層と、東海林のメガネ男子ブリに魅了される層に大別されてる感じです。前者が男で後者が女ではないかと勝手に思ってるんですが、だとするとなんとわかりやすいというかなんというか(まあ俺もだが)。

そこをなんとか 1巻 2巻 3巻

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