『コロぱた』の登場人物名元ネタを紹介するよ

This entry was posted by on Sunday, 10 January, 2010

コロぱた』というゲームがありまして、面白そうだなと思ってたんですが、ふとその登場人物一覧を見たらどう見ても人工衛星です本当にありがとうございました。でも、そうだということはわかったとしても、実際のところどういう人工衛星かまでは案外知られていないんじゃないでしょうか。私もそんな詳しくないんですが、軽く調べたので紹介したいとおもいます。

ひまわり

ご存知、気象観測衛星。たぶんこのゲームの元ネタの中では群を抜いてメジャーな衛星ではないかと思われます。宇宙開発事業団が継続的に打ち上げ・運用をしており、アジア圏の気象観測に多大な貢献を果たしています。7号は2006年に打ち上げられ、6号とともに運用中。

あすか

X線観測衛星。宇宙科学研究所が93年に打ち上げ、2000年まで観測を続け、多大な科学的発見に貢献しました。

もも

もも1号ともも1号bという2機の人工衛星が存在します。宇宙開発事業団によって運用され、海洋状況の観測などを行った地上観測衛星でした。1号は87年に打ち上げられ95年まで運用、1号bは90年に打ち上げられ96年まで運用されました。

こだま

宇宙開発事業団によって打ち上げ・運用されるデータ中継衛星。静止軌道に位置していて、他の人工衛星などへの通信を中継します。2002年に打ち上げられ、定常運用は終了しましたが、まだ様々な用途に使われる予定です。

つばさ

民生部品・コンポーネント実証衛星、ようするに過酷な環境にいろんな機器を投入してみて、実際のところどれぐらいの耐性があるか実験するためにつくられた衛星です。2002年に宇宙開発事業団によって打ち上げられ、当初の予定以上の成果を得ました。

きらり

技術試験衛星です。レーザ光を使った光通信を衛星間で行うという技術の実証実験のため、2005年に宇宙航空研究開発機構によって打ち上げられました。実際にESA(欧州宇宙機構)の人工衛星との間で初の光通信に成功しました。

のぞみ

火星探査機です。98年に宇宙科学研究所によって打ち上げられ、火星近辺の様々な測定データを収集しましたが、最終的には火星周回軌道への投入に失敗しました。当初は火星上空を回りながら大気などのデータを観測する予定でした。

しんせい

科学観測衛星第1号。つまり、日本で初めて科学観測機器を搭載して打ち上げられた人工衛星です。71年に宇宙科学研究所の前身となる東大の研究所で打ち上げられ、様々な科学データを観測しました。

はるか

97年に宇宙科学研究所より打ち上げられた電波天文衛星で、軌道上から電波を観測しました。また同時に様々な技術の実証実験も行いました。

おおすみ

日本初の人工衛星です。70年に東大の宇宙航空研究所から打ち上げられました。

ひのとり

81年に打ち上げられた太陽観測衛星です。太陽X線フレアを観測しました。

ふじ2号

アマチュア無線の中継などを行うアマチュア衛星で、90年に宇宙開発事業団より打ち上げられ、08年まで運用されました。ちなみに1号は86年、3号が96年に打ち上げられ、現在もふじ3号は運用されています。

ジオテール

92年に宇宙科学研究所より打ち上げられた科学観測衛星です。名前の通り地球の、磁場などを観測しました。当初3年の運用予定でしたが、いまだに運用され続け、観測を継続している長生きな衛星です。


余談:日本の宇宙関係組織について

ところで上の説明ではいちいち打ち上げの組織を入れてみました。日本にはかつて、大雑把に言うと人工衛星を打ち上げる公的組織が2つありまして、ひとつが東大の研究所が前身となる宇宙科学研究所(ISAS)、もうひとつが宇宙開発事業団(NASDA)でした。宇宙研は文部省(当時)の下にあり、主に固体ロケットを使って科学観測衛星を打ち上げていました。一方の事業団は科学技術庁に所属しており、HIIなどの液体ロケットがメインで、気象衛星などのミッションを遂行していました。が、2003年、省庁再編の折に他の航空宇宙系の組織も含めて宇宙航空研究開発機構(JAXA)と呼ばれる組織に統合されました。

ちなみにコロぱたのキャラ中でNASDA系が5、ISAS系が7、JAXAが1ということで若干ISASが多い感じになっています。NASDAの衛星は「もも」とか「うめ」とか「ひまわり」とかのように植物名が多いので使いどころが難しいのかもしれません。もっともISASは「ひのとり」とか「ひてん」とか「れいめい」とかだから人名として考えるとDQN名っぽいかもしれませんが(笑)。そういう中でコロぱたではそれっぽい響きの名前がうまく使われていますね。結果としてこだま家は長女だけISAS系、みたいな感じになっているのを楽しむのもよろしいかと思います。

まあゲームとは一片たりとも関係ないムダ知識だけどね!

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