カールじいさんの空飛ぶ家

This entry was posted by on Wednesday, 6 January, 2010

これは年末にみました。

ピクサーの映画って毎年すごいなあと思うんですけど、今年もすごかった。こっちは2Dで見たので3Dでどれぐらいすごいのかはわからないけど、CGアニメってここまでできるのかと本当に感心しました。

エンジニア的に一番燃えるのはやっぱり最初にカールじいさんが家を飛ばすところですよね。1万という風船を煙突から出す! それをCGで表現! どんな計算をすればそれが可能なのかっていう話ですよ。これはスゲースゲーってなります。だってまあ、予告編で見てたのに、実際に劇場で目の当たりにすると小さく「おおっ」って声あげちゃうもんね、あれは。

ただ、風船は確かに凄いんだけども、どっちかというと鬼面人を威すの類で、俺が本当に感心したのはもっと他のところだった。この映画で一番感心したのは、この映画のリアリティレベルが全て「人形劇」のリアリティになっていることなんじゃないかと思う。わかりやすいところでいうと、嵐のシーン、壁に書けられた写真やお皿がカタカタと傾くところで、一斉に、規則的に動いたりするところみたいな演出技法がある。CG的には、衣服の質感が普通の人の服というよりは人形に着せた服という質感になっていたり(身体に対してちょっと厚い感じがする)、そういった細かいところがひとつひとつきちんとしている。結果として(そういうストーリーだというのもあるが)油断しているとCGアニメだというのを忘れて人形劇を見ているかのような錯覚を与えてしまう映像が出来上がっている。

これはすごいことですよ。

3DCGのゴールの一つにはやはり、現実と見紛うばかりの絵をつくるとか、それを動かす、みたいなところがあるはずで、でもそれは達成されちゃったゴールではある。お金をかければそれぐらいはできますが何か、みたいな。ピクサーがこの映画でやっているのは言ってみればその一つ先で、別な現実感みたいなものを作り上げちゃったことなんじゃないかと、そんなことを思いました。

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