野村亮馬『ベントラーベントラー』[2]

This entry was posted by on Sunday, 25 October, 2009

(ベントラーベントラー 2 / ベントラーベントラー 1)

地球外からの来訪者への対処を行う「外星課」のゆるーい活躍(?)をゆるく描いた独特のテイストのまんがの2作目。前巻の紹介はしてなかったかな。地球外からエイリアンが日常生活にうろついているちょっと未来が舞台で、外星人たちの起こすトラブルを解決する(ことになっている)首都圏民営警察外星生物対策課たちがいろんなエイリアンに遭遇するという一話完結型のシリーズ。

対策といっても外星人たちの能力はオーバーテクノロジーなため、人間は基本的になんにもできない。なんとなくそういう変なものに居合わせてあんまり活躍できない、妙に日常的なテイストがけっこう癖になります。

2巻は、重力軽減作用をおよぼす謎の飛行物体が飛来したり、外星人に作られたアンドロイドが発見されたり、外星生物を銃で撃ち殺して回る不審な二人組がいたり……ただ、1巻が完全に一話完結だったのに対して、だんだん外枠となる話がつくられてきたかな。今後も楽しみ。

それはそれとして今回ちょっと「おッ」って思ったのは、89ページ、ワイアット君がボイジャーを発見するくだりで “TANJI…” ってつぶやいているところ。これはたぶんラリー・ニーヴンが彼の著作で使っていた悪態語 TANJ のことですね。There ain’t no justice の略。『リングワールド』では訳者の小隅黎はこれを「神も仏もないものか」略して「カホナ」という略語にしたといういわくつきのものです。作者、ニーヴンが好きなのかな。

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