cool の訳は

This entry was posted by on Friday, 25 July, 2008

まえに書いた話のつづきだけど、あとで書くといった方ではない話。

dumb as rocks くらい慣用的なものはともかく、とかくこのテの表現というのは訳すのは難しいわけです。まじめに翻訳を試みるならもっと賢い訳を考えないといけないけど、しょせん全体的に抄訳だったら深く考える必要もなく as rocks はなんか強調してんだな、くらいで無視しちゃっていいんですよ。

まあそれもよしあしで、あまにも行間を読まなかったり、あまりにも無視する部分が多すぎると原文には存在しないことを主張しようとして出鱈目になってしまう、という可能性もあるわけですけど。もちろん、そういうのは web に公開しているいいかげんなやつの話であって、もっとちゃんとしたいならちゃんと訳すべきですが(もっとも、そういうときでも「岩みたいに馬鹿」という訳はないだろうと思ってたり……でもそう訳す流儀の翻訳家もいるか、いっぱい)。

 

行間を読むという話について。

同僚と雑談をしているときに、こういうひどい体験をしてさ、みたいなことをしゃべってたことがあったと思ってください。でまあふつうに笑ったりしてたとき、ひとりの感想が「cool」だったのね。いつもはふーんと聞き流すんだけど、ちょっといい機会だったので、いやクールでもなんでもないでしょ、クールってのは基本的にいい意味で使ってると思ってたけど今回の話はひどいって話だし、とか聞いてみた。そしたら彼いわく

「cool の訳は、なるほど」

とのこと。ここで cool! と返せれば cool だったんですけどね、ふつうに「へぇー」とか感心してしまったが(笑)。

もちろん、アメリカでは cool という単語はもう完璧に陳腐化してしまっていて、ほとんどただの間投詞と化してるということは知られているし、そのときでももうなんとなくそういう理解は持ってました。でもそこまで陳腐化していたのか、とゆーよーなかんじ。ともあれ cool なんて真面目に考えずに文脈に応じて適当に訳せばいいようなものの代表みたいなもんで、さすがにこれを「冷たい」と訳す人はいないと思いますが日本語的な「クール」ともニュアンスの違う語ですよね。さすがに「なるほど」はなかなか出てこないけど。

 

ところで、http://www.kt.rim.or.jp/~kbk/zakkicho/08/zakkicho0807c.html#D20080723-2

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某巨大ソフトメーカーの社員食堂でchicken が通じなかったのもイントネーションが悪かったのかなあ。現物を目の前にしていってるのに通じなかったし ○| ̄|_

いやそれは単に発音が悪かったのではないかと(笑)。嫌味とかではなく日本人ぽい発音だとまったく理解できない、こちらの発音から想像力を働かせてくれない人というのはいるでしょう。日本人がガイジンの日本語を聞くときだって相手の能力だけじゃなくてこっちとの相性とかタイミングとかもろもろによってまったく何を言ってるかわからなかったりするわで同じことでしょう。わたしもそういう体験がないわけではなく、結局そういうときには指差して「this one, please」だったりするわけで、ここで書いてるのは所詮その程度の話だったり。

One Response to “cool の訳は”

  1. shiro

    電話で注文するときに “spinatch” がなかなか通じなかったことがあったなあ。”peanuts?” とか聞き返されたり。

    なんとなく、日本語ネイティブのための英語発音レベル。

    レベル1: (単語内の)イントネーション。間違ったイントーネーション(下手に英語っぽいけど強勢の位置が違ってるとか)はまず通じない。相手が外国人英語に慣れてる場合はむしろイントネーションをつけずに平板に発音した方が通じると思う。ピジン英語も平板っぽいのが多い感じだし。

    レベル2: 子音。特に雑踏の中とか電話越しなどでは子音が曖昧だと通じにくい。あと、語末の子音も大事。

    レベル3: 母音。大人はたいたい想像して補ってくれるんだけど、英語ネイティブの子供相手だと[i]と[i:]、[u]と[u:]の違いなど厳しくチェックされる。