coco『今日の早川さん』

This entry was posted by on Sunday, 9 September, 2007

今日の早川さん

coco’s bloblog のまんがの書籍化。

出る前は「早川よく決断したなwwww」という気分3割くらい、「こういう時流に乗っかってみました感満載ですなぁ」が6割くらいで楽しみ度は1割くらいでしたが、読んでみたらやっぱり良かったね。うむ、これほど「出てよかった」と思える書籍化は(個人的には)なかったかもしらん。

オレはそもそも web 上のまんがを安易に書籍化して売るというスタイルが嫌いで、なぜかといえばだいたいこういう web 上のまんがというのはリソースが少ないので、ぜんぶをかき集めたとしてもひじょーに薄味な本になるわけです。1ページに平均すると4コマ1つ以下、みたいな。

けれどもこの本の場合、というか、もともとはコネタとして始まったこのシリーズの場合には元のまんがのエントリには作者の声というのがある。それを4コマの脇にコメントというかツッコミとして配していて、量が足りないとかいったような残念な感じが払拭されているのが好印象。もとと同じように楽しめて満足でした。

ところで、この一歩引いた目線からの作者の冷静なツッコミ、というのがこのまんがの妙味だったのだなあというのも改めて思った次第。というのはどういうことかというと、このテのマニアというのは自分を見る冷静な視線というのを持ち合わせているとオレは思う。あるモノに夢中になってる自分と、「そんなモノに夢中になってるオレ」を見つめる自分と、両方が同居しているのだね。

『今日の早川さん』では、登場するキャラたちもわりとそういうメタっぽい視点は持ってるんだけど、それに加えて作者の脇からのツッコミがあることで、読者は両方の視点で読むことができるのだなあと思った。だからこそ、おたくというかマニアというか、まあ何でもいいんだけどようするに「同類」な皆さまが共感を持って読めるのかもなあ、なんて思ったりして。

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