ジョン・ハーツ氏を囲む会@新宿
ワールドコンに来た有名なアメリカのファンの一人、ジョン・ハーツさんという人がまだ日本にいて、日本のいろんなSFファンと交流をしたいらしいということで突発的に開催された囲む会に参加して、すみっこでいろいろ話を聞いてきました。
語り口は柔らかくてゆっくりめの日本人にわかりやすい英語をしゃべってくれるのですが、ひとつの質問に対して少なくとも30分くらいは延々としゃべりつづけるという人で、面白かったけどキョーレツでした。
いろんな話をしてましたが、面白かったのはファンジン文化みたいなものと、ゴースト・オブ・オナーの話かなぁ。ファンジン文化ってのは、日本の同人誌/SFファンジン文化と似たようなものだろうと思っていたのだけれど、ぜんぜん違うんだなあと得心しました。どっちかというとあれね、数人でいっしょに文通しているような感じなのかな。
ゴースト・オブ・オナーというのは、アメリカのゲスト・オブ・オナーをもじったジョークで、たとえば93年にサンフランシスコで開催された confransisco というワールドコンでマーク・トゥウェインがゴースト・オブ・オナーってことになってたと。そんでファンで役者の一人がワールドコンのあいだじゅうずーっとマーク・トゥウェインの格好をしてうろうろしていたのだそうで。で、その期間中にジョン・ハーツさんがヒューゴー賞セレモニーに出席するために正装に着替えて、セレモニーが終わったあとにうろうろしていた午前2時、会場とホテルのあいだの道端でそのマーク・トゥウェインにバッタリ遭遇したと。マーク・トゥウェインの「中の人」はハーツさんの旧来の友人だったのだが、自分もいかにも19世紀の人みたいな正装なので、マーク・トゥウェインと、そういう立ち話をした。しかもマーク・トゥウェインがサンフランシスコにいたころはまだ若くて新聞記者とかをやってたころという設定なので、まわりにギャラリーとかそういう人はまったくいないのに、しめしあわせたかのように彼の記事の読者という設定で記事について立ち話をして(現代の素に戻ることはいっさいなく)そのまま別れていったりしたとかなんとか。そういう真剣な遊びはオレは好きだぜ。
ほかにもヒューゴーの規定の話とか、ファンタジイとSFの定義の話とか、いろいろ面白い話がいっぱいきけました。楽しかった。