高慢と偏見とゾンビ

This entry was posted by on Friday, 12 February, 2010

刊行前に軽い紹介をしてましたが、ようやっと読了。いやー、キワモノでしたな。しかし笑える。

高慢と偏見』についても、改変についても↑リンク先ですっかり紹介してしまいましたが、読んでみて思ったのは改変度はけっこう抑えめ。「85%はそのまま」という触れ込みも納得で、シーンレベルで書き換えられていたりする部分は少なく、ほとんどの改変は単語の置き換えであったり、ちょっとした表現を変えているだけだったりする。それでも、冒頭の箴言からしてゾンビについての文章に改変されていたり、ところどころに差し込まれる挿絵も、19世紀風を装っているが微妙にヘタな絵で、たいへんにB級テイストの味わいになっていて素晴らしい。

で、そうはいっても骨格はほとんどそのままなので、ようするにストーリーラインもそのまま。ゾンビ禍によって滅びつつあり、ベネット家だって長い間中国で少林拳の訓練を積んでいたわりに、結局登場人物はどいつもこいつも誰と誰が結婚するだの、誰は金を持ってるだのといったことにしか興味を示さないという異常な世界に仕上がっている。そこをどう取るかですが、むしろそのイビツさを愛でるべきではないかと思いました。そういうわけで、読むなら原作の予習から入りましょう。原作を読んでいれば「そこがそうなりますか」と笑うことは請け合います。「娘たち! 死の五芒星だ!」

ところで、改変パートでちょっと感心したのはシャーロット。シャーロットの身の振り方にはかなりの改変が施されており、原作ではなんとなく印象の薄かったこのキャラを上手く生かしているなあと。いや生かしてはいないのだが、なんというか……。

ところで本作、映画化決定だそうですが、何の冗談なんでしょうか。あと日本語版公式twitterアカウントもいい具合にハジけていていい感じです。

高慢と偏見とゾンビ

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