せっかくなので iPhone の話
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/iphone-b84c.html
日本語入力については、ふつうの携帯端末より優れているとさえ言えるんじゃないかと思います。案の定、「動きがもっさりする」とか「連文節変換」とかいった根拠をもとに非難してる人がいるんですが(でまあそれは真だったりするんですが)、個人的にはそこはそれほど致命的な問題ではないという感じに思っています。
http://www.youtube.com/watch?v=WQUiXQP5tu8 発売前に出て噂になったこのビデオでも紹介されていますが、「長押しして上下左右に出る」「押しながら指を動かすとその文字が入力できる」という操作がとても快適です。オレがふつうの携帯電話のテンキー入力に慣れてないというのもあると思いますが、 iPhone のテンキーは相当高速に打鍵できます。っていうか、オレはもう「同じキーを何度も叩く」というあの馬鹿らしい操作に戻りたくないですよ。
……まあ、確かに打鍵してもプログラムが固まってることはあります。ただ、実際に固まっているのは基本的に描画部分だけのようなので、その間もタッチしていれば文字入力は処理されてます。レスポンスが遅いのはかなり残念で、入力してから1、2秒待たないと予測入力のウィンドウが表示されないこともよくあります。それでも今はいきなり落ちたりしなくなったので、もう本当に致命的な問題ではなくなった(でももっと改善はしてほしい)というあたりが個人的な印象。
それと、たぶん増井さんが「いらない」といったためによく非難される連文節変換ですが、これは私もいらないと思いますよ。ただし、 iPhone の辞書は複合語に弱いので困ることがあります。たとえば「科学未来館」と入力したいとき、そういう単語があるか事前に知ることは困難なので、「か」と入力したときに「科学」で確定してよいのか、もっと入力したほうがいいかわからないということです。複合語は連文節変換を実装することで解決可能な問題なのですが、同じ問題ではない。複合語に対応するだけなら文法知識を利用しなくて済むので、ずっと簡単に対応できるんじゃないかと期待してます。それに、この辺はふつうの携帯電話でも一緒じゃないかなぁ。
ごちゃごちゃ書きましたが、 iPhone の日本語入力についての個人的な見解は3つに集約されます。
ま、でも、確かにもっと改善してほしいなぁとは思いますけど。
ネットブラウズについても、最近は操作に慣れたのでだいぶ快適になってきました。
これは言っとかなあかんと思いますが、 mixi も含め、たいていのサイトのデザインは iPhone だと強烈に見づらい。何もかも小さすぎるんですね。たとえば、 mixi だと「ホーム」とかのナビゲーション用のボタンが小さく、互いに隣接しているので、慣れていても間違えてクリックしたりします。あとmixiは iPhone専用アプリをリリースしていますが、この出来栄えはガッカリもいいところなのはちとつらい。
で、「見づらいなー」とは思ってたんですが、この辺は拡大縮小の操作に慣れると、まあまあ悪くない。拡大縮小は例の指でつまんだりする操作ってことになります。もうひとつ、リンクじゃないところをダブルクリックすると、そのパートがうまく画面に収まるように拡大と移動をしてくれるんで便利ですね。あと、じっくり読みたいときは横向きにすると文字が大きくて読みやすいとか。その辺を習得すれば悪くないんですが、「なんでウェブページを見るだけのためにそんなメンドウなことに慣れにゃならんのだ」という人はいるでしょうし、そういう人には向いてないでしょうね。個人的には、小さい画面での操作というと何にせよこうした特殊な操作は必要であり、何らかの慣れが必要になるんじゃないかと思いますけど。
Google Reader とか、 iPhone 専用のデザインのサイトはかなり使いやすくて、この辺は巷に広まってる「ケータイ専用サイト」と同じですね。そんなわけで「iPhone 専用サイト」が出てきたりしないかなあ、出てこないかなあ、などと思ってましたがそういう機運がぜんぜん盛り上がらないのが何ともはや、という感じであります。アメリカではそういう動きはあるのかねぇ。専用サイトといえば、日本のケータイ専用サイト(モバゲーとか)のヘビーユーザだと、たぶん iPhone じゃ使いものにならないか、そもそもアクセスすらできないかもしれないですね。オレはそういうのぜんぜんやってないからなぁ。
こちらのまとめは、
というぐらい?
以上をまとめて一般的に「買い」かというとそんなこたないなあという感じですが、興味があるなら選択肢としては悪くないと思いますね。個人的にはかなり満足して使っています。ひろゆきの意見は例によってシニカルで納得しやすいですが、「電話として使いづらいから持ち歩かない」というのは真ではない (人もいる)ってことかなぁ。オレも半ばモバイル Google Reader マシンとして使ってますし。まあ電話として使いづらいってこともないと思いますけど(特段使いやすいってこともないですが)。 EeePC などの超軽量小型PCと比較してどうか、というのは EeePC とかは持ってないので正直わからんという感じですが、あの辺とは用途の性格が違う気がします。電車の中で立って使うのと待合室の中で使うのの差、みたいな。
ところで、 iPhone て本当に「世界的なビッグウェーブ」だったのかなぁ。あれだけ騒がれたけど、最初の100万台売れた iPhone 3G のうち60万台はアメリカ国内で売れたんだそうですね。なんというか、売れてるとか売れてないとかいう以前に単に「アメリカ人が iPhone 好きすぎ!」ということに尽きる気がします。何で連中はそんなに好きなんでしょう。「それまでアメリカに全く存在してなかったケータイ文化的なものをいきなり提供したから」というのがよく描かれるストーリーですが。