森見登美彦『美女と竹林』
あっ、ブログと同じ文体だ!
内容は、なぜか荒れはてた竹林を任されることになった作者が、あまり竹林を伐採したり整えたりせずにうだうだと自身の竹林への思いを綴ったり、それとは無関係に本上まなみと対談して緊張したことなどが綴られたエッセイ。そんな雰囲気だから、文体が同じだというのもあるけれども基本的にブログの延長といった風に読める。やはりもちぐまを蹴飛ばしたり、締切次郎と闘いを繰り広げたりしているところもいっしょ。というわけなので、ああいう文体が好きならば楽しめるだろう。ところで、最近はブログも営業っぽい文章が多いような気がして少し寂しい。忙しいのでしょうかね。
読んでいて個人的によかったのは、『四畳半神話大系』の小津というキャラのモデルになったとおぼしき作者の友人(実在するらしい)をモデルにしたとおぼしき明石というキャラ。このキャラが単に読んでいて面白い、というのもあるが『四畳半神話大系』が好きなので、というふたつの理由による。うれしい再会だ(うれしいか?)