ハロサマの続編が刊行決定らしい
にじむさんも書いてますが、山岸さんによると『ハローサマー、グッドバイ』の続編の刊行が決定とのこと。同じく河出文庫から来年の秋ぐらいの刊行をメドにしているらしい。
いやーホントに出るとは思ってませんでした。すばらしい。売れてるんですねー。そういえばハロサマ自体も増刷だそうですよ。
あんまりネットを渉猟して感想をさがしもとめたわけではないんですが、ざっと目についた範囲のハロサマの評判はしかし、必ずしもよくはないですね。いわく「主人公がキモい」「主人公に感情移入できない」「ブラウンアイズのどこがいいのか不明」……まあそんな感じ。で、たしかにその通りなんですよね。わたしもそこまで強烈に否定はしないけど「んー大して面白くはないなあ」という感じでややネガティブ。
一方で絶賛してる人の感想を読むと、主人公とブラウンアイズのボーイミーツガールなパートを手放しで褒めてる人はそれほど多くない気がしました。もちろんそこを褒めている人はいて、ただしその褒め方は主人公の小狡いところやあまり周囲が見えてないところなんかをきちんと書いていてよい、という感じだったり。端的にいうと、いわゆる恋愛小説として見れば大して優れた作品ではない、ということでおおまかな意見の一致はあるのかな、と。
でも褒める人は褒めてるわけで、じゃあどういうところを褒めているかというと、ここはわたしの個人的な見解ですが、この世界の有り様が明らかになっていくところとか、ラストの1行とか、そういうSFSFしたところ。いやべつにSF的なパートにしか褒めるところがないかというとそうでもないだろうと思うんですが、言いたいのはこの作品はどこか凡庸なところがある一方でどこか突出してスゲエところがある。一箇所どこかが突出していればあとがつまんなくてもオーケーと言えるかどうか、というのがこの本を褒めるか貶すかを分かつポイントなのかなあ、などと思っています。あとは「これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっとほかの多くのものである」という何の小説として読むか、という違いなのかも。
さて、続編ではどうなのかな。しかし原書で買わんでよかったよ(笑)。