さいきん読んだもの
マイクル・コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』は噂に違わぬ傑作で楽しめた。といっても、中盤あたりまで、少年少女の物語はよく書けてはいるものの正直「こんなもんなのか?」という感じ。ところが、そう油断をさせておいて終盤に待つ展開が素晴しい。さらに最後の一行で「おおっ、そういうことだったのか」と思わせるのがすごくよい。
続編の I remember Pallahaxi はもう買えん状態のようですね。 amazon.co.uk にすらないのか。
フランツ・シェッツィング『深海の Yrr』は上中下の巨編だがイッキに読める娯楽大作。上巻の「予兆」パートが長く、とにかく延々と「くるぞ、くるぞ」という雰囲気を出してくるのでだんだん辟易したが、中巻あたりからは展開が加速した感じ。SFとして読んでたので、あれの正体のあたりは正直「ええーそれでいいの?」というぐらいフツーだったのでちょっとがっかりしたのだが(もっと捻ったのかと思ってたよ)、サスペンスだと思って読むとえらい驚くかもしれない。
それにしても『ハイドゥナン』にしてもこれにしても、海洋もの科学小説とアニミズムというのは何かあるのだろうか。やはり、人間にはとうてい伺い知ることのできない世界に未知の生物がうようよして相互に複雑に関係しているというビジョンとアニミズムの相性がいいということなのかなあ。よくわかりません。ただまあ、個人的には『ハイドゥナン』はかなりダメでしたがこれはその辺はフレーバーとしてうまく作品に混ぜ込めていてわりとオッケー(とはいえ伯父さんのアドバイスとか、意義があるようでまったく何の役にも立っていないような)。
あとまんが。『マップス・ネクストシート』[4]は金子が大活躍で超おかしい。げらげら笑いながら読了。ほんと長谷川センセはこういうクダラない話になると途端にイキイキとするなあ(笑)。『鈴木先生』[5]も「鈴木先生30の技のひとつ……」で不覚にも吹き出してしまった。
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で買えるようです。
翻訳が出てほしいところですが。
なるほど、出版社在庫はあるんですね