コリイ・ドクトロウ『Little Brother』(読みはじめ)
ちまちまと読んだり読まなかったりしてまだ序盤なんだが yomoyomo さんが紹介してるので言及。
早川で出る可能性はかなり低いと思います。『マジック・キングダムで落ちぶれて』は残念だけど超つまんなかったし世間の評価もぜんぜんだめで、売れ行きもたいしたことなかったっぽい。ドクトロウは短編がちょぼちょぼと紹介されはじめているけど、これから紹介が進むことはなかなかなさそう。もっとも、どっか別の、そういうしがらみの薄い文芸っぽくないところからなら、するっと出るのはけっこうありそうですね。
ただ、オレはまだ序盤なんだけど、これ面白くなるのかなぁ。正直、いまの段階ではちょっと不安。よくあるタイプの「ポスト9・11小説」なんだとすると(個人的には)肩すかしもいいところ……とはいえ、こうしたテーマに切実さを感じるというところがアメリカの現状なんだろうな(まあドクトロウはカナダ人ですけど)。日本じゃ軍諜報部の暴走なんて『オメガトライブ』みたいなノリになっちゃうじゃん。
もっとも yomoyomo さんの興味は今回の場合、作品の質よりむしろ「せっかくクリエイティブ・コモンズなんだから草の根で翻訳とか展開が進んだら面白いよね」というところにあるんだろうな。でも文芸翻訳、しかも長編、というのは難しいと思うけどなぁ。さてどんなもんですかね。
ドクトロウは Someone comes to town, someone leaves town が傑作だったし、これを機会に紹介が進むといいんですけど、でも正直そんなに人気のある理由はよくわからないな。 Someone comes … はむしろ通好みの作品だし、既訳の作品でもそんな面白い作品てないでしょ。