吉川景都『わたし、オタリーナですが。』
気になったので買ってみた。出来はまあふつう。それにしてもこのテの本は多いねー。認知度が上がった印象が。
出来はまあふつうだが、読んでいて知り合いの女性(複数)の言動が脳裏をよぎったので、つまりそういう意味でよくできているのだろう。実体験でなければ描きえない何か、みたいな。しかしまーしょせんオレは男のおたくなので、内容はだいたい理解はできるし「あーいるいるこういう人」という感じはあるけど基本的に傍観者の視点なのであった。
作中にもあったけど、一般人とおたくのあいだに壁があるのだとすれば、男のおたくと女のおたくも川で分かたれてるんだよね(もっというと性別だけじゃないけどね)。「文化がちがーう!」みたいな感じ。
うーん、これはうまく説明できてないな。
オレはべつにああいうタイプのフィクションはぜんぜんまったく興味ないけど、それを愛好する人たちというのは知り合いにふつうにいたりするわけね。でまあそれなりに仲良くアニメソング限定でカラオケに行ったりするわけだが、でもまあこの人たちのことは根本的なところで理解できてないんだろうな、みたいな諦念があるわけです。ところが当然ながら向こうからしたらこっちもそうなんだなーというまなざしを感じたのはこの本が初めてという気がする。
たとえば面白かったのはロボットアニメ好きなオトコの話で、あれなんかはわりとオレの日常なんだけど(最近はそーでもないが)、そうか、あれってそんな新鮮でネタになるようなことなのか、と思ったりした。