『速水螺旋人の馬車馬大作戦』
わたしはまったくミリタリーの人ではないのであれだが、作者の該博な知識とムダな妄想力に支えられた、やたら細かいイラストエッセイだったりマンガだったりするわけのわからないものが読んでいて途轍もなく面白い。面白いんだが情報量が多いもので読むのはとても時間がかかるわけで、つい昨日から読みはじめたのでぜんぜん読み終えてない。
内容は第一次、二次大戦を背景にした架空の軍事ネタの連載が表題作で、東南アジアの小国で二次大戦からベトナム戦争まで活躍した装甲戦象部隊であるとか、東欧で第一次大戦のころに突如として出現した時速4キロの巨大自走砲であるとか、そういうデタラメをやけに凝ったディティールで成立させる面白さである。「いやそれはいくらなんでも」的なレベルであまりにも実在しなさそうであるがゆえに却ってありそう感みたいなものの醸成が妙に上手く、バカバカしく、したがって素晴しい。いや、いまさらですがいいものですな。
で、ミリタリーの人だときっともっと細かく読み込んで細かい小ネタに大喜びしたり吹き出したり作者の意図について思いを馳せたりしてきっと大変だろうなあと思うと、自分の知識がまったく足りてないのが残念でもある一方ちょっとほっとしたりしつつ。
ま、ちびちびと読んでおるわけです。