mixi の object
もう3年も前のことになるが、 Jaiku の創業者が自身のブログでソーシャルサービスについて object-oriented sociality ということばを言ってた。ソーシャルなサービスにあたって、よくある「友達」とか「友達の友達」とかいった人間関係に着目するというとこれは間違いだと。人間と人間が何らかのグラフで繋がっているのだけれど、実は介在するための object (モノ/対象)があるんだっていう話。 Flickr なら写真、 delicious なら URL、 MySpace は音楽、みたいな。
で、それから3年たって結局 Jaiku はあんまり成功してない気がするし(だいいち Jaiku の object ってなんだったんだろう)、このほど日本版が出たらしい FaceBook (いちおうアカウントは持ってるけどさっぱり使ってない)はどうなんだっていう風に反例は出せるんだけど、まあなるほどな、という腑に落ちる感覚みたいなのはあるんだよね。っていうかたぶん、そうやって object を定めたサービスは「わかりやすい」んだよね。ユーザにとって、まず何をするとどうなるものなのか、っていうのがはっきりしている。成功するしないはともかく、そのわかりやすさというのは重要なんじゃないかな、とまあ斯様に理解していたわけです。
mixi ってのも反例のひとつで、あれはなんというか object はまったくないよね、っていう風に思っていたわけですが、ニュースが object なのだな、とふと思ったわけです(というのはつまり、わたしの周辺の人間の使われ方がそうだ、ということでしかないのだが)。ニュース記事とそれに対する反応日記、反応日記へのコメントという流れがあって、これがそこそこソーシャルに機能している、ような気がする。わたし自身は見知らぬ他人のニュースへの反応日記は読まないし興味もないのだが、その有り様はなかなか面白い。
mixi の面白いところは、たぶん、フィルタリングやランキングについて深く考えていないことだろう。ニュースを題材にした日記一覧は(あんまよく知らんけど)日付順か何かで並べられている。これが問題かというとそうではない。というか、その記事を見てより深い洞察を得たいとか追加情報を知りたいとかいう欲求がある場合、何らかのランキングがあると嬉しいわけだけれども、でも世の中そういう人ばっかりじゃないでしょう。単にそのトピックに興味のある人同士で盛り上がりたい人の方が多いわけで、そういう目的のためにはむしろ雑多な、床屋政談的などうでもいい内容がずらり並んでいた方がしっくり来る。そういうあたりのデザイン(意図しているかしてないかは知らないが)まで含めた「有り様」が興味深く思えました。
disclaimer: 上で書いたように mixi がそればっかりというわけではない。主流ですらないだろう。でも、この側面はそんなに重視されていないわりには重要なんじゃないかという気がした。
ニュースよりも日記かなあ。私のまわりだと。で、ふつうの人は毎日毎日日記書くようなネタがないから供給源としてのニュース。
もちろん日記があってこそなんですが、日記のトピックって、mixiニュースのネタが多くないですか?
あとは携帯からの写真かな。