避難もたまには悪くない

This entry was posted by on Tuesday, 29 March, 2011

諸事情により、実は先週は台北に出張に行っていた。

個人的には東京は安全だと思っていたし、一時的な避難をする意味はまるっきりないなと思っていたのだけど、ちょっとこの一種の「国外退避」で個人の気分が変わったので自分の感覚を書いておきたい。

東京から一時的に避難をする意味がないと思っていた理由はいくつかあるが、上に書いたように基本的には東京まで(成人の健康に)強い影響が起こることはなさそうだと思っていたというほかに、計画停電にしろ、余震にしろ、原発にしろ、そうそうたやすく終わるものでもなさそうだ、というのもある。東京から1週間だけ海外に避難する、というのは、たとえば健康被害等を懸念するならあまり意味がないといまでも思う。まあ私は独り身で気軽なものなので、そう言えるという面もあるが。

で、考えが変わったのは、一週間の出張でずいぶんと心が軽くなったことを自覚したからだ。

台湾には余震はないし(土曜に地震があったらしい噂もあとで見たが、わたしはそのころ道端を歩いててぜんぜん気付かなかった)、問題の原発の影響もない。誰もそこで不安を感じていない。自分では大丈夫だと思っていても、周囲がぴりぴりしていたら緊張くらいは誰でもするもんだ。

そういう環境で、仕事も平常の内容に戻して、twitterは閉じて、情報もシャットアウトした。それでずいぶんリラックスできた。東京はなんやかやで騒がしいし、ニュースやtwitterでいろんな情報を入手するのはだいじなんだけど、それはストレスになりうる。そういうのを忘れて、ふだんの仕事に集中したことで、だいぶ心の平安が得られたような気がする。正直、地震でわりと心が参っていたところがあったのだな、とわかった。

この辺の効果は人にもよるとは思うから、万人にとっての解決策というわけではないだろう。東京の、家族や友達のことが気になってかえってニュースを調べまくって逆にストレスをためてしまう人もいるかも。帰国の際にすごい不安をかんじちゃう人もいるだろうし。

今週から東京に戻って、街の風景も仕事も(電気をのぞいて)だんだんもとに戻りつつあるのがわかった。だからこういうことを書いてもちょっとタイミングを外しているかもしれないし、そう言われたからといって今からホイホイどこかに行ける人は少ないだろう。だけど、今度の週末とか、ひとりでどこか別なところで、情報をシャットアウトしてのんびりやるのも、たまには悪くはないよね。

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