テッド・チャンの新作が凄い!

This entry was posted by on Sunday, 18 January, 2009

先週にamazon.co.jpからようやくJonathan Straham編のアンソロジー"Eclipse two: New Science Fiction and Fantasy"が発送され、週のなかばぐらいから続々と日本の読者のもとに到着。本当は昨年11月刊行なのにねぇ……まぁそれはともかく、洋書SF読みや翻訳者のあいだでは、このアンソロジーに収録されているテッド・チャンの新作短編 Exhalation がすごい評判になってる。ぼくは土曜にようやく受け取れたけど、ともあれまっさきに読んでみた。

いや、確かにこれは傑作。

なんだかみんな粗筋を紹介していないんですが、読んでみるとたしかに紹介しづらい。というか、僅か14ページの短編だし、本質的にはアイディア・ストーリーなので、粗筋を紹介するとどうしてもネタを割ってしまうことになってしまうのですね。

読むと、せいぜい最初の1ページで「ははん、そういう話なのか」と思うんですが、スレたSFファンがそう思うことぐらいチャンは折り込み済み。そこからどんどん奇想が展開され、予想もしない方向に転がっていく。これがまた、アイディアといい、語り口といい、SFでしかありえない小説だし、まさしく傑作。

正直なことを言うと、こないだ邦訳されたチャンの「商人と錬金術師の門」は(書籍版を購入したし)好きだけど、個人的にはそこまでではないと思ってる。よくできたドラえもんの回と同じように面白いし上手いんだけど……でもこの作品はすごい。よくまあ、こんなアイディア思いつくなあ、と思うし、こんなストーリーにするとは、とも思う。

ま、たぶんすぐ訳されると思いますけれども。

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