ウォンテッド
暗殺者集団の内部抗争アクション。
千年前から続く秘密の暗殺者の集団に裏切り者があらわれて……という設定の場合、ふつうはもうちょっと世界平和とか人類や地球の危機とかが出てくるものですが、そういうのが一切ない潔さ。シンプル・イズ・ベストな怪作であります。
というわけで見所はストーリーにはなく、やはりアクションとSFXてなことに。登場人物たちは全員、なぜか銃弾を自在に曲げるというホル・ホースみたいなスタンド能力の持ち主で、作中では銃弾が「くいっ」と曲がる描写が出てきてカッコよく、さらに「能力者」同士の対戦では戦いのさなか銃弾同士が正面衝突して打ち消しあったりして、そうした描写がたいへんによろしい。でもオレ絶対最後はモーガン・フリーマンも参戦すると思ってワクワクしてたんだけどな。そこは心残りです。
知り合いのなかにガン・カタを引き合いに出してラストのガンアクションを評価している人がいたのだけど(いや確かに『リベリオン』のクライマックスに匹敵するアクションではありますが)、個人的にはむしろ、あのカーアクションが素晴しいと思いました。「車はそうは飛ばねえだろ!」というツッコミをする気すら失せる素晴しさ。アイムソーリー。
カーアクションで殺したときの暗殺対象の、わかりやすいワルモノっぽい描写も込みで素晴しい。
ところで作中、主人公が自分の凡庸さを示すために自分の名前でぐぐって「no results」を叩き出すんですが、むしろ同姓同名の人が出てきたり、何かの名前リストの誰かの姓と名にたまたまマッチすることの方が多くない?とか無粋なことを思ったのですが、帰宅して検索してみたらそういう名前の作家がヒットしました。世の中そうそう上手くはいきません。