山名沢湖『レモネードBOOKS』[3]
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最終巻。
この本はビブリオマニアなオトコノコとフツーなオンナノコの軽い恋愛ものなわけだけれども、なんというかですね、ピュアなのよね。「読書が趣味」な人々の生態という意味では先日に紹介した『今日の早川さん』に似ているのだけど、早川さんたちみたいなヒネた視点はまるでなくて、ああいうものに共感して読んだあとにこれを読むと、あまりの真っ直ぐさに眩しさすら感じることであるよ。
しかしまあ、わりと素直なわたしはいつもいつもヒネているわけではないので、こういうピュアなまんがもそれはそれで心地良くわたしの心に染み入るのだけれど。それにまた、現実的にはありえないメルヘンだとしても、メルヘンにはメルヘンの良さってもんがあるよね。特に最後の最後なんかいかにも山名沢湖しか描けないようなメルヘンだよなー。や、楽しみましたよ。
今回の巻ではラクガキの話と岩田君の元彼女の話が面白かった。特に「趣味が似てると思ってつきあってみたけど相手の方が遥かにレベルが上なので疲れてしまって別れた」という元彼女の話は、ほろにがくも爽やかでよかったことです。
全体としては朝霞さんと友人氏のエピソード群が好きです。