柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』[2]
奨励会から脱落し、プロ棋士となる夢破れた主人公が、バクチの将棋を打つ「真剣師」となるというこの「ハチワン」も2巻目。
この巻の見所はナンといっても二こ神との戦い。のっけから頭のおかしい展開の連続でクラクラしてくる。それを、エアマスターなんかでもおなじみの柴田ヨクサルのテンションの高い大ゴマを使った演出で描くもんだから、なんか世界の一大事のようなことのように見えるのだけれど、いや、単にヒロインのおっぱいをどっちが揉むかという勝負なんですが。
実はこの「ハチワン」は連載開始当初から雑誌で読んでいて、「へー柴田ヨクサルが将棋まんがかー」という程度の低いテンションで追っていただけだったわけですが、この二こ神戦のおかしすぎる展開に惹きつけられ、そのころのいいタイミングで1巻が出たのでついつい興奮気味にこの日記でも紹介したような気がするのだけど(と思ったけど1巻そのものは紹介してないなあ)、あらためてここの部分だけを読み返してもおかしい。徹頭徹尾ヘンな展開で、読者はなにひとつ納得できないのだが、柴田ヨクサルの「腕力」にねじふせられてしまう。だがそれがいい。
ひとつ残念なことは、ここのくだりがあまりにも最高であるため、次の文字山戦などふつうにヘンであるに過ぎないのが物足りなく感じてしまうことくらいか。連載ではすでに、この2巻ラストで突入する文字山戦をすでに終え、次の展開に移っているのだけど、正直、「ふつうに面白い」レベルでしかないという贅沢な悩みを感じるのだな。
とにかく今、ヤンジャンで間違いなくいちばん面白いまんがなので、見逃している人がいたらどうぞ。